車を売却する際、少しでも高い査定額を引き出したいものです。
車の査定士は、実際にどのような項目をチェックして査定額を決定しているのでしょうか。
そこで本記事では、車査定の基準やチェックする具体的な項目、そして車をより高く売却するためにユーザーが査定直前でもできることについて紹介します。
車査定の基準となる『標準状態』とは

始めに、査定の定義は
「対象中古車と車両の標準状態とを比較し、その中古車の商品価値を判定すること」
です。
つまり、中古車の状態から買取価格を決定するまでの一連の流れが「査定」です。
そして中古車は、車種・年式・走行距離だけでなく、エクステリア(外装)・インテリア(内装)・エンジン等の状態等、諸項目を細かくチェックして買取価格が決定されます。
ここで上述の査定の定義として、『標準状態』査定時の基準を表す単語が含まれています。
財団法人日本自動車査定協会(JAAI)では、下記の6項目を標準状態として設定しています。
- 外装と内装が無傷であること
- エンジンと足回りが走行に支障がなく良好であること
- 車検の残り月数が3カ月以内であること
- 走行キロ数が標準であること
- タイヤの残り溝が1.6mm以上であること
- 事故修復歴や改造工作がないこと、腐食や臭いなどの損傷原価要因がないこと
査定価格は
- 査定基準価格
- 基本価格
- 査定価格
の順で算出されます。
査定基準価格とは、JAAIが毎月設定する、標準的な整備を施した小売価格です。
次に、査定基準価格をベースとして、買い取り業者社が基本価格を決定します。
そして上述の標準状態を基準に、各チェック項目における「加点(プラス査定)」もしくは「減点(マイナス査定)」を加味して、最終的な査定価格を決定します。
車査定のチェックシート
中古車を査定する際に車の状態を記入する用紙(カーチェックシート)と、その内容は以下の通りです。

記入場所 | 欄 | 記入内容 |
---|---|---|
1 | - | 車格や駆動方式 |
2 | 仕様 | 形状やミッションの種類 |
3 | 転記 | 検査証の内容などの情報 |
4 | 車両図 | 外装の状態 |
5 | 重点項目チェック | 修復歴など |
6 | 内装シート | 室内の状況 |
7 | 車両本体 | 内外装・機能の状態 |
8 | タイヤ・ホイール | 種類やサイズ |
9 | 商品価値 | 走行キロや書類の有無 |
10 | 装備品 | 有無と状態 |
11 | 価格計算 | 加減点集計と査定価格 |
車査定の具体的なチェック項目
カーチェックシートの内容を踏まえ、チェックする具体的な項目は、下記のように大きく分けて7つに分類されます。
- 車全般のスペック
- エクステリア(外装)
- インテリア(内装)
- エンジンルーム
- 足回り(シャシー)・下回り
- オプション装備
- 付属品
それでは、これらの項目について1つずつ詳しく見ていきましょう。
車査定のチェック項目 その1 - 車全般のスペック

- 車種
- グレード
- 年式
- 走行距離
- 車検の残り期間
- etc…
車全般のスペックは、査定額を決定する大きな要素です。
走行距離は以下の基準により査定の加減が決められます。
- 普通車 – 約10,000km
- 軽自動車 – 約8,000km
また車検の残り期間は、半年以上でプラス査定となります。
車査定のチェック項目 その2 - エクステリア(外装)

- ボディーカラー
- ボディ全般の汚れ
- ボディのヘコミ・傷(天井部含む)
- 鍵穴やドアノブ周辺の傷
- 可動部(ドアやウインドウ等)の具合
- サンルーフ
- ガラス類(フロント・リア・サイド)
- ランプ類(ヘッドライトやテールランプ等)
- アンテナ(ラジオやテレビ等)
- エアロパーツ
- ナンバープレート
- etc…
ボディカラーは、一般的に人気の高いホワイト(パール)系、ブラック系がプラス査定となります。
また、キー差込口の周りや洗車時に付く細かい傷にも気を配りたいところです。
全体から見れば小さな傷ですが、普段からの心掛けで大きな差が出ます。
将来のリセールを視野に入れ、常に丁寧に扱うことを意識しましょう。
但し、高額査定を狙って修理に出すのはあまり賢明ではありません。
傷や凹みの程度によっては、査定額への影響が微差しか生じないことがあり、最終的に修理費用分を損する恐れがあります。
車査定のチェック項目 その3 - インテリア(内装)

- 内装全般の汚れ
- 喫煙の有無
- ペットによる汚れや匂い
- シートの汚れ
- フロアマットの有無と汚れ
- ハンドル・メーター類等のインパネ周り
- エアバッグ
- オーディオ、カーナビ、スピーカーなどのAV機器の状態
- トランクルームの汚れ
- スペアタイヤの有無
- etc…
内装の状態は居住性に直結するため、査定士は特に重点的にチェックします。
補修や部品交換が必要な場合には大きな減点となるため、注意が必要です。
車内の匂いも重要で、喫煙やペットによる匂いは大きな減点材料になります。
普段から消臭スプレー等でケアするのが良いでしょう。
車査定のチェック項目 その4 - エンジンルーム

- 車体番号
- 修復歴の有無(フレームのチェック)
- エンジンの状態
- エンジンオイルの状態
- バッテリーの状態
- 改造パーツの有無
- etc…
エンジンは、始動時に「キュルキュル」や「カラカラ」などの異音が混ざる場合、不具合が生じている恐れがあり、その場合は主に修理が必要なため、その分が減額になります。
またエンジンに限らず、修復歴が有る車両は中古車市場での需要が激減するため、査定は大きく減額します。
車査定のチェック項目 その5 - 足回り(シャシー)・下回り

- 修復歴の有無(フレームのチェック)
- マフラーの状態
- タイヤやホイールの状態
- タイヤハウスの状態
- 各部のヘコミ、傷、錆、汚れ
- オイルの漏れや滲み
- 車高
- etc…
タイヤは残り溝が高いほどプラス査定になります。
ホイールは傷や錆が減額対象になります。
マフラーは、錆や腐食が減額対象で、特にマフラーに穴が空いていると車検に通らないため、大きな減額対象となります。
ショックアブソーバのオイル漏れは、衝撃の吸収や減衰の役割を果たさないため修理が必要となり、大きな減点となります。
車査定のチェック項目 その6 - オプション装備

- フルスポイラー
- サンルーフ
- 革シート
- パワーウインド
- エアコン
- エアバッグ
- ABS
- etc…
各種オプション機能は、主にプラスで評価されます。
特に純正オプションはプラス査定となり、相場に比べて高値で売却できる可能性が高くなります。
車査定のチェック項目 その7 - 付属品

- 車検証
- 自賠責保険
- リサイクル券
- 定期点検整備記録簿
- 保証書
- 取扱説明書(カーナビやオーディオを含む)
- スペアキー・キーレス
- 純正部品
書類等の付属品は、車体とは直接関係無いものの、査定額の加減を決める大きな要素となります。
定期点検整備記録簿は、これまでの整備履歴を記録する書類で、中古車の品質を保証するためプラス査定となります。
取扱説明書は、次のユーザーが必要なため、保有していればプラス査定となります。
車をより高く売るために、ユーザーが査定直前でもできること

これまで乗ってきた愛車を売却する際、どのような措置を施せば、より高い金額の査定を受けることができるでしょうか。
例えば、大きな傷は修理に出さなければ対応できず、費用と時間が掛かります。
そこで、より高く売却するために、査定の直前でもできる対策を以下に記述します。
- 各種書類を用意する
- 洗車と掃除で車を奇麗にする
- 傷・不具合・事故を正直に伝える
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
各種書類を用意する
上述のように、定期点検整備記録簿や取扱説明書は、その有無で査定額が異なります。
ダッシュボードの助手席側(グローブボックス)に全ての書類が入っていれば問題ありませんが、車外に保管している場合は査定時までに探して、査定士に提示できるようにしましょう。
洗車と掃除で車を奇麗にする
査定額は”見た目”で大きく変動します。
外装の洗車と内装の清掃で車の印象が良くなり、査定士の心証にプラスに働きます。
内装では特に、足元に落ちている砂や小石を掃除機で吸い取り、フロアマットは外して洗剤を用いて洗うのが良いでしょう。
傷・不具合・事故を正直に伝える
これは査定直前に自ら一通り確認し、査定時に査定士に口頭で直接伝える対策です。
これは、例えば事故歴が有る場合、その事実を隠して売却すると、後で判明した際にトラブルになります。
査定額が下がる可能性がありますが、現状での状態における適正な査定額のほうが、ユーザー・査定士共に良好な取引ができます。
また査定に取り掛かる前に予め自己申告することで、「それ以上のマイナス査定は無い」と査定士の心証が良くなり、その分が査定額に反映されることがあります。
まとめ

ここまで、車査定の基準やチェックする具体的な項目、そして車をより高く売却するためにユーザーが査定直前でもできることについて紹介しました。
特に、車の売却時においてユーザーが査定直前に対策することで、より高く売ることができます。
どれも手間が掛からない内容なので、是非実践していただき、高額査定を実現しましょう。
次の車に乗り換える、もしくは単に車を手放す場合でも、より高い査定額を得て、豊かな生活に繋げていきたいですね。
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